お薦めの本はありますか?と聞かれるので、このページを作りましたが、私自身、これらの本に書かれている内容があまりにも奥深いので、最後まで読めてなかったり、読むたびに初めて読むかのようにワクワクします。
そして、読むよりも、実践したくなります。
体で感じるよりも前に、本を読んでわかった気になりたくないし、先入観を持ちたくない、このメソッドの恩恵をフルに受けるためには本はザックリ読んでおこうと思ったのでした。
でも、はじめに、とか気になるところを読むのは、とてもとてもお薦めです。
とにかく、頭で理解しようとせずに、わからないけどやってみる、わからないからやってみる。
思いもよらない世界が開けるでしょう。
*本が大好きで、体なんてどこにあるかわからない!だった私が、こんなことを書いてるなんて!思いもよりませんでした!
フェルデンクライス身体訓練法 【著】モーシェ・フェルデンクライス 【訳】安井 武
(原題 Awareness through Movement 1972)
●私が初めてフェルデンクライスメソッドに触れ、始めるきっかけになった本です。
フェルデンクライスメソッドの基本的な考え方、理論、が書かれた理論篇(P9-76)と、具体的な動きのレッスンについて書かれた実技篇(P77-239)。
理論篇は、ワクワクするような深い人間の洞察と可能性について語られており、こちらだけでも読む価値あり。何と人間のことがよくわかっている人なんだろう!と衝撃を受けました。
実技篇は、文章を読みながらやってみるのですが、「いまいちこの動きでいいのか?」確信が持てず、レッスンが受けられるところをネット検索して、レッスンを受け始めたので、その後ずっと読まないままでした。
改めて読んでみると、ホントに素晴らしい。動き方が書いてあるだけでなく、その背景など詳しく書いてあり、フェルデンクライスメソッドに対する理解がぐんと進む。
実際に動いてみて、痛みがなくなったり、動けるようになったり、恩恵にあずかれる可能性あり。でも、もしレッスンを受けられるところが近くにあれば、そこでレッスンを受けることをお勧めします。(聞いてわからん、見てわからん、やってもわからんフェルデンクライス。わからなくても実際にやれば必ず何らかのいいことが起こる。頭でわかろうとするのをやめて恩恵にあずかろう。)
脳の迷路の冒険 【著】モーシェ・フェルデンクライス 【訳】安井 武
(原著 The Case of Nora: Body-awareness as Healing Therapy 1977)
●脳出血後遺症のため、しゃべれるのに字が読めない、書けない、左右の識別不可、といった機能障害を有するノーラという女性が、フェルデンクライスメソッドで回復する過程を報告したものです。
上下の二冊はいずれもATM ( Awareness through Movement )という、ティーチャーが言葉をかけてそれに従って動く、見た目は体操のようなグループレッスンの実際が書かれていますが、この本は、FI ( Functional Integration )という、ティーチャーが手で生徒の体を動かしたり触ったりする、見た目は整体のような個人セッションの実際が書かれています。
決まったマニュアルなどなく、その人その瞬間に必要なことを感じ取り行い、観察し、試行錯誤して脳神経系を再構築する過程が解説されています。
ノーラのように、失われた機能が、生まれた後に獲得されたものなら、また学びなおす、改善することができるのがホモサピエンス人類の特性であり、このような学び方を学ぶ事により、人間の能力はもっともっと使えるようになる。
学んでほしいからこのような症例報告を公表していく予定である、ことが「まえがき」に書かれていますが、FIに関して出版されたのはこの症例のみでした。
でも、これを読まれると、フェルデンクライスメソッドの可能性の奥深く広大なことがわかると思います。
心をひらく体のレッスン 【著】モーシェ・フェルデンクライス 【訳】安井 武
(原題 The Master Moves 1984)
● 1979年にフェルデンクライス博士自身が行った5日間のワークショップの内容を書き起こしたもの。博士が80歳でなくなる5年前のワークショップ。運動、人間の発達、感性、気づき、その他に関する博士のあらゆる主要な概念が、動きのレッスンの中で説明され探求され解明されています。
レッスンを経験されたことがない方が、これを読んで動いてみるのはやはり難しいかもしれませんが、レッスン中に博士が話されたことなど、本当に奥深くて面白いです。
脳はいかに治癒をもたらすか : 神経可塑性研究の最前線 【著】ノーマン・ドイジ 【訳】高橋 洋
(原題 The Brain’s Way of Healing : Remarkable Discoveries and Recoveries from the Frontiers of Neuroplasticity 2015)
カナダ在住の著名な精神科医であるノーマン・ドイジが「神経可塑性」という脳の持つ特性を引き出す治療に関して、理論的な説明を織り交ぜながら様々な治癒のエピソードを紹介している。海外でベストセラー。
全部で8章からなるこの本の、第5章にフェルデンクライス博士とそのメソッドについて、第6章には失明したのちにフェルデンクライスメソッドで視力を取り戻し、今はそれを教えているプラクティショナーについて書かれている。